|
聞き屋与平―江戸夜咄草
|

|
| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
|
| 人気ランキング: | 92538 位
|
| 発送可能時期: | 下記ボタンを押して納期をご確認下さい。
|
| 参考価格: | ¥ 1,680 (消費税込)
|
ご購入前のご注意
|
当ホームページはアマゾンウェブサービスにより運営しています。
商品販売はすべてアマゾンの取り扱いです。最新価格、製品情報はボタンを押してご確認下さい。
|
|
客の胸のうちを聞く「聞き屋」が心に秘めた秘密とは
「小説すばる」に6回にわたって連載した連作小説です。
時は江戸時代。明暦の大火からしばらく経ったころ。
所は江戸一番の盛り場、両国広小路。
仁寿堂という薬種屋のご隠居が、五日に一度、店を閉めたあと机と腰掛けを表通りに持ち出します。
机にかぶせた覆いの垂れのことろに、「お話、聞きます」と書いてある。辻占いでなく、単に話しを聞くだけの「聞き屋」というちょっと変わった商売をはじめるところです。
ただ話を聞く。
お代も客の志しだい。
何か胸につっかえのある者が男の前に座り、ある客はポツリポツリと、ある客は一気に吐き出すように話をはじめます。
男の名前は与平。
父親が立て直した薬屋を、自分の代で更に大店(おおだな)に発展させ、3人の息子に店をまかせたあと悠々自適の楽隠居……と世間の評判です。
しかし、与平には、墓場まで持って行かなければならない秘密があります。鯰の長兵衛という岡っ引きが、与平が何事か隠していることを確信していて、聞き屋をしている与平の前に現れては、客の支払いの一部を巻き上げて帰っていきます。
何でも金目当てでものを考える長兵衛に、いい加減、与平はうんざりです。
体の不調を覚えた与平は、残された時間が短いことを覚ります。
もっと話を聞かなければならない。もっと。
冥土の土産にするには、まだまだ足りない。
そんな与平の前に、他家に嫁いで無縁となっているはずの先々代の店主の女房が現れて、物語は展開をはじめます。
先々代の女房が鯰の長兵衛に話した疑念とは……。
本書には、制約の多い封建社会を舞台に、それでも一生懸命生きた庶民が描かれており、山本周五郎の庶民物の雰囲気が漂っていました。
著者の宇江佐氏は山本周五郎の衣鉢を継ぐ作者の一人かもしれません。
あなたの話を聞きます
「聞き屋」とは、辻占のように通りに机と椅子を置き、訪れる
人の話をただ聞いてあげる商い。お代はお志で結構。こんな暇
な商売が成り立つのは、大店の主人の隠居後の趣味で始めたこと
だから…。そんな前置きから始まる、ちょっと不思議な雰囲気
の連作時代小説。
誰かに話を聞いて欲しい人はいつの時代にもいるもの。
持ち込まれるのは理不尽な話、いい話、奇妙な話など様々。まるで教会
の懺悔部屋のような趣。語られるお話自体も興味深いのだが、主人公
の与平自身が隠し持つ過去の心の闇の存在がお話に緊張感を持たせ
ている。
宇江佐作品にしては登場人物がいい人ばかりではなく、暗さも
あるところが珍しい。
聞き屋の提灯が、こころの闇を照らす‥。
与平は薬屋の隠居。誰でも持っている心の闇を、ただ聞く。
問わず語りの話を、黙って、また相槌を打ちながら‥。
誰にもいえない。でも、誰かに聞いて欲しい。
話すことで心の重荷を減らし、人はまた修羅の道を生きてゆく。
そして、話を聞く人間もやはりこころに荷物を負っているのだった。
まるで聴聞僧が懺悔を聞くような設定だが、こちらは懺悔だけでなく世間話から
人の悪口まで守備範囲が広い。
しかし、僧のように話す人に救いは与えない。
ただ、聞くだけなのだ。
江戸時代に較べ、人はより多くのことを知り、より多くの人と交わり、
そしてより少ない人としか心を通わせていない現代。
心の闇は現代の方がはるかに深く、暗いだろう。
はたして、現代を舞台に書くとどうなるだろうか、という期待を持った。
集英社
三日月が円くなるまで―小十郎始末記 ひょうたん 十日えびす 花嵐浮世困話 雨を見たか―髪結い伊三次捕物余話 (髪結い伊三次捕物余話) 晩鐘 続・泣きの銀次
|
|
|
|
|